《 Direct Letter 》
ビジネス文書では単刀直入な文面で効率的に伝えることが肝要です。率直な要求、簡潔な返信、礼を弁えたメッセージなどの書き方を学びましょう。
情報や行動を単刀直入に要求するメッセージの書き方
・前文 ― 最も重要な質問事項を述べる、或いは礼を弁えた要求を表明する
・主文 ― 要求内容を論理的かつ丁寧に説明、他の質問事項もここで聞く
・末文 ― 明確な対応を期限を設けて要求し、謝意を述べる
< 前文 ― 単刀直入に始める >
文書の中で読み手が最初に目を通す部分は前文と末文です。この傾向を利用して、最も訴えたいことを最初に述べましょう。通常、単刀直入な文書における最初の一文は質問あるいは礼を弁えた要求の形式になります。要求を拒む反応が予測される場合には説明や弁明から入ることもあります。単刀直入に述べる文章から始めることで、読み手の時間を省くことになり、そのまま読んでもらえる確率が上がります。多忙な人ほど表題と一文目で内容を早々に判断し、行動を起こしてくれるものです。だらだらとした説明は逆効果になります。
例えば下記のサンプルは、書き手が誰でどのような状況からこのレターを書くことに至ったのかなどの説明は無く、ホテルの利用施設や宿泊についての単刀直入な問い合わせから始まっています。
また、問い合わせ事項が複数ある場合は「Will you please answer the following questions about…」などという書き出しを使って、複数の項目を質問事項の形で羅列することもできます。

< 主文 ― 詳細情報を提供する >
このような要求(質問)がなぜ出されたのかについては必要最低限の詳細を主文で述べるようにします。書き手の考えていることとニーズを明確化し、要求を論理的に仕上げることで、相手から的確な回答を得、更なるメッセージのやりとりが不要になる確率が上がります。上記サンプルのように、出来る限り見やすい形にすることも大切です。箇条書きにすることで、それぞれの項目が同等であることを読み手に理解してもらえます。
< 末文 ― 対応の要求と謝意 >
末文は対応の要求と謝意に使いましょう。上記サンプルのように、対応(返信や手配)への期限をつけることや、その期限の理由を説明することで効率の良いやり取りができます。
最後には謝意を述べましょう。
・Thanks for responding before November 15 when we must make a decision.(回答期限に絡ませる)
・We are grateful for the information you will provide because it will help us improve our service to you(謝意を読み手の利益に繋げる)
・I appreciate this information that will enable me to …(情報の有益さに感謝する)
「Thank you for your cooperation.」などといった使い古された字面より、上記のような新鮮味のある効率的な末文が良いでしょう。
《 Direct Claim クレーム・レター 》
ビジネスにおいては予測・予定通りに事が運ばずサービスに満足できない場合もあります。そういった際に事態を修正してもらうために出す書面をクレーム・レターと言います。電話や対面よりも文書での申し出の方が記録として残せることからも重きを置かれる傾向にあります。ここではクレーム・レターの書き方を学びましょう。
クレーム・レターの書き方
・前文 ― 要求する対応を明確に書く
・主文 ― クレームとなる事項の内容を説明、要求する対応の詳細を書く
・末文 ― 要求する対応を要約し、礼を弁えた文面で締める
< 前文 ― 明確な文面で始める >
聡明な企業や事業主は顧客の声を重視します。新規顧客獲得より既存顧客を大事にすることの方がコストが抑えられるからです。クレームへの対応は、交換、返金、新規発注、注文訂正、無償修理、注文取消しなど様々です。対応や救済策の明確さによって書き方を調整しましょう。
・Please send us 25 digital travel alarm clocks to replace the analog travel alarm clocks sent in error with our order shipped January 4.(明確な対応の要求)
・Because three of our employees with confirmed reservations were refused rooms September 16 in your hotel, please clarify your policy regarding reservations and late arrivals.(救済策提示の要求)
< 主文 ― 説明や弁明 >
主文では問題となっている内容と要求する対応の正当性を説明します。必要最低限の詳細を説明することで、メッセージを何度もやり取りすることなく問題を修正・改善してもらえます。読み手は偶々その案件の担当となっただけであることを心に留め、怒りや非難の口調は避け、事実を論理的、客観的、感情に流されずに書きましょう。請求書や領収書、カタログの文面や修理履歴といった関連書類を提示し、読み手が原因を確定できるようにすると良いでしょう。こういった書類を手紙に同封して送る場合はコピーを送り、正本は手元に残しておきます。書類が無い(サービス等の)場合は、担当者の名前や交渉した日時などを提示します。下記のように相手に代替案を出すことも可能です。
If you are unable to send 25 digital travel alarm clocks immediately, please credit our account now and notify us when they become available.
< 末文 ― 対応の要求と謝意 >
要求する対応を要約し、礼を弁えた文面で締めましょう。例を下記に示します。
We realize that mistakes in ordering and shipping sometimes occur. Because we’ve enjoyed your proper service in the past, we hope that you will be able to send us the digital travel alarm clocks by January 15.
クレーム・レターを出す場合は、事態が発生してから間を置かずに出しましょう。タイミングが遅くなったクレームは、それほど重要ではないと考えられたり、原因究明がしにくくなったりします。クレーム・レターはその後の処理を要することがありますので、手元にはコピーを残しておきましょう。
下記のサンプルを比較してみてください。元のレターでは怒りをぶちまけるだけで、解決に至る内容になっていません。修正版では、トーンを抑え、状況を具体的に挙げて問題を客観的に述べています。クレーム・レターの目的は「最終的にどう対応して欲しいのか」が重要なのです。修正版は個人によるクレーム・レターのフォーマットの一つです。住所欄には名前は書かず、文書の最後にサインと共に姓名を表記しています。個人の立場で書く場合の参考にしてみてください。
Before Revision

After Revision

要求やクレームのレターの書き方が掴めたでしょうか。どちらも相手に対する礼を弁えつつ簡潔に要求を述べるのがポイントです。
** References: Essentials of Business Communication, Guffey and Nagle,
7th Canadian Edition
























